50代で宅建を取ったらどうなる?重宝される職業と60の向き不向き

「50代から宅建を取って、不動産業界に転職できるのか?」

こうした疑問を持つ方は多いでしょう。

宅建があれば採用で有利になるのは事実ですが、仲介営業の現場は毎日の電話営業や飛び込み、厳しい数字のノルマがあります。

50代からこれを楽しめる人もいれば、体力的・精神的に続けにくい人もいます。

つまり「無理ではないけれど、合う人と合わない人がある」というのが現実です。

営業が得意な人なら宅建を武器に成果を出せますし、営業が合わない人でも管理や事務、金融など他の道で資格を活かすことができます。

本記事では、宅建を持っていると重宝される仕事、向いている人・向いていない人の特徴、年収目安(公的データベース)と、資格を取る価値を現実的に解説します。

目次

宅建を持っていると重宝される職業

宅建は「不動産業界で必ずしも必要ではない」と思われがちですが、実際には持っていることで大きく立場が変わります。

不動産会社は宅地建物取引業法により「従業員5人に1人以上の専任宅建士」を配置する義務があり、契約時の重要事項説明や契約書への記名押印は宅建士の独占業務です。

資格者は会社にとって欠かせない存在になります。

ここでは宅建士が特に重宝される仕事を紹介します。

① 不動産仲介業(売買・賃貸)

もっとも宅建士が必要とされるのが仲介業です。

売買・賃貸いずれも「重要事項説明」は宅建士の独占業務。従業員数に応じて一定数の専任宅建士が必要なため、資格が採用・昇進で加点されやすいのが実情。

資格手当が厚い会社も多く、未経験でも“資格者枠”として重宝されます。

年収目安(公的統計ベース):不動産・物品賃貸業の平均年収レンジに準拠し約400~560万円

仲介は歩合給が大きく、実績により600万円以上も珍しくありません。

②-1 分譲マンション管理会社(フロント職)

分譲マンションの管理会社は、管理組合から委託を受けて建物全体の運営をサポートします。

フロント職と呼ばれる担当者は、理事会や総会の運営補助、修繕計画の提案、見積もり調整、清掃・点検の手配などを行います。

必須資格は「管理業務主任者」ですが、宅建の知識は区分所有者からの売却相談や規約改正、駐車場契約などで強みを発揮します。

営業色は弱めで調整・事務が中心のため、50代からでも馴染みやすい分野です。

年収目安:業界平均に近い約400~550万円。大手やフロントリーダー職ではこれを上回る場合もあります。

②-2 賃貸管理会社(専有部分の管理含む)

オーナーから委託を受け、入居者募集・契約・更新・家賃回収・クレームや設備対応・退去精算までを担当します。

分譲マンションの専有部分を賃貸管理するケースも多く、その場合は管理組合との調整力も必要です。

宅建士が契約・重要事項説明を、賃貸不動産経営管理士(賃管士)運営全般の管理監督を担います(200戸以上管理の事業者は賃管士を業務管理者として設置義務)。

年収目安:業界平均に準拠し約400~550万円。規模や役職次第で600万円超も。

③ ハウスメーカー・建築会社

新築戸建・分譲マンション販売では、契約時に宅建士の説明が必須。

営業×宅建でお客様の安心感が増し、成績にも直結。高額商品ゆえに成果報酬の上振れ余地が大きい領域です。

年収目安:基礎は約400~560万円、成果次第で600~800万円に到達する例あり。

④ 金融機関(銀行・信託・保険会社)

不動産担保ローン、相続・信託、不動産流動化などで宅建知識が活きる領域。

銀行系不動産子会社では宅建が前提のポジションも。

社会経験の厚みと相性が良く、50代の強みが出やすい分野です。

年収目安:金融全体の相場感として500~700万円台が多く、不動産関連部門で宅建保有はプラス評価。

⑤ 不動産投資・コンサルティング会社

投資用マンション、土地活用、収支改善提案など。高額取引で顧客は「資格=安心材料」を重視。

宅建は信頼形成とコンプライアンスの両面で武器になります。

年収目安:基礎は約400~560万円、成果報酬の比率が高い会社では600~1000万円のレンジもあり。

⑥ 司法書士・行政書士・FP事務所との連携職

宅建×他資格(FP/士業)で価値が増幅。契約書確認、登記前チェック、相続・資産相談など「不動産×お金」の横断領域で重宝されます。

副業・独立の踏み台にも。

年収目安:ベースは業界平均約400~560万円

複合スキルでの上積みが期待できる領域。

宅建に向いている人・向いていない人

不動産業界で宅建を活かすには、資格だけでなく「その人の適性」が重要です。

コミュニケーションが得意だと契約の“入口”は広がりますが、最後に数字を積み上げられるかはメンタル(折れない心・切り替えの速さ)が決め手です。

向いている人(30項目)

向いていない人(30項目)

  • 知らない人に電話するのが苦痛
  • 断られると立ち直れない
  • クレームで感情的になりがち
  • 契約のプレッシャーに弱い
  • 数字を追われるとやる気を失う
  • 契約書・法律文を読むのが嫌い
  • 土日祝は必ず休みたい
  • 夜の対応はしたくない
  • 最後まで人の話を聞けない
  • 自分の話を優先しがち
  • 「説明が長い」と言われると萎える
  • お金・ローンの話題を避けたい
  • トラブル・交渉に関わりたくない
  • 断られるのが怖くて動けない
  • 外回りが体力的に無理
  • 相手の立場で考えるのが苦手
  • 予定変更に対応できず苛立つ
  • 人脈づくりを面倒に感じる
  • 一人で黙々作業したい志向が強い
  • 収入の波が受け入れられない
  • 地域・物件に興味がない
  • 覚えることが多いと嫌になる
  • 他人の話に興味が持てない
  • すぐに諦めがち
  • 相手に合わせた話し方が苦手
  • 緊張で本番に弱い
  • 柔らかい言い回しやお世辞が苦手
  • 「面倒くさい」が口癖
  • 知識だけで勝負したい
  • 楽して稼ぎたい気持ちが強い

数字のプレッシャーについて

プレッシャー

営業は「毎月ゼロから」が当たり前。

先月のヒーローが今月は契約ゼロ、も日常です。

ここで必要なのは、事実を受け止めて次に動ける割り切り

数字に強いかどうかは、コミュ力よりメンタルの安定と切り替えの速さに左右されます。

苦手なら、数字圧の小さい管理・事務・金融側に活路があります。

50代で宅建を取ったときの世間の反応と現実

ネット上では「50代未経験の仲介は厳しい」との声も多め。

一方、現場では「50代で新しい資格に挑戦した行動力」が評価されるケースも多数。

分譲・賃貸管理会社では年齢より資格の有無が重要視されやすく、金融・士業連携でも社会経験の厚みが信頼に直結します。

宅建は要らない資格?

質問

「宅建なしでも営業はできる」が、「宅建があると契約を任せられる」。

不動産会社には専任宅建士配置義務があり、重要事項説明・契約書記名押印は独占業務

これは他資格にない強みです。

さらに賃貸不動産経営管理士の制度化で、宅建+賃管士の組み合わせは管理会社での市場価値を一段引き上げます。

宅建から他資格へのステップアップ

宅建試験は不動産業界の基礎を幅広くカバーしているため、その後の資格取得にも直結します。

  • 民法・借地借家法・区分所有法 → 管理業務主任者・マンション管理士と重複
  • 法令上の制限 → 都市計画法・建築基準法など、不動産関連の上位資格にも共通
  • 税や不動産取引の知識 → FP2級・3級の不動産分野とリンク
  • 賃貸借契約・敷金精算 → 賃貸不動産経営管理士とほぼ同範囲

まず宅建を学んでおけば、不動産業界で必要とされる他資格も取りやすくなります。

50代からの挑戦であっても、最初に宅建で基礎体力をつけ、その後キャリアの方向性に合わせて派生資格を追加していくのが効率的なステップアップです。

まとめ

宅建は「取って終わり」ではなく、選択肢を一気に広げる切符です。

営業で攻めるも良し、管理・事務・金融で堅実に行くも良し。

向き不向きは、やってみないと分かりません。

大事なのは「挑戦してみて、自分に合うかどうか」。

資格を持っていれば、仮に合わなくても別の道に切り替える余地があります。

だからこそ迷うより行動。50代からの挑戦は大きな強みです。

結論:やってみて、自分にハマるかどうか。それを確かめるための第一歩が、宅建取得なのです。

情報

  • 宅建士の配置義務:宅地建物取引業法 第31条(専任宅建士=従業員5人に1人以上)
  • 独占業務:宅地建物取引業法 第35条(重要事項説明)、第37条(契約書記名押印)
  • 賃貸不動産経営管理士:賃貸住宅管理業法 第12条(管理戸数200戸以上の事業者は業務管理者設置義務)
  • 平均年収(公的統計):
    • 国税庁「民間給与実態統計調査」不動産業・物品賃貸業:概ね 400~560万円
    • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」:不動産関連の平均月収 約32.6万円(年換算 約391万円)

※具体的な金額は年度・集計方法で変動します。

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