宅建試験は、20代の学生から50代以上の社会人まで幅広い層が挑戦する国家資格です。
「時間がない」「記憶力が落ちてきた」と悩みは年代ごとに異なります。
共通して言えるのは勉強時間をどう捻出し、習慣化できるかが合否を決めるということ。
本記事では、国交省と不動産適正取引推進機構(RETIO)の公式データを基に、受験者層の実態と年代別攻略法を徹底解説します。
宅建試験の最新公式データ
直近2年の公式データは以下のとおりとなります。
約20万人の受験生に対して例年2割弱の方が合格されています。
平均年齢は35歳前後です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準点 | 合格者平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|
令和6年度(2024) | 241,436人 | 44,992人 | 18.6% | 37点(登録講習者32点) | 35.9歳 |
令和5年度(2023) | 233,276人 | 40,025人 | 17.2% | 36点(登録講習者31点) | 35.6歳 |
出典:国土交通省、不動産適正取引推進機構(RETIO) 合格率はここ10年で15〜19%台を推移。合格基準点は年度により35〜38点と変動しています。 平均年齢は例年35〜36歳前後で安定しており、社会人が受験の中心です。
過去5年の合格率・合格点の推移
年度 | 合格率 | 合格点 |
---|---|---|
令和6年度(2024) | 18.6% | 37点 |
令和5年度(2023) | 17.2% | 36点 |
令和4年度(2022) | 17.0% | 36点 |
令和3年度(2021) | 15.4% | 34点 |
令和2年度(2020) | 17.6% | 38点 |
合格率は例年15〜19%前後で安定しており、合格点は35〜38点の間で推移。
つまり「40点以上取れれば安全圏」というのが公式データから見える結論です。
職業・年代別の受験傾向(RETIOデータ)
職業 | 割合 |
---|---|
不動産業 | 30.6% |
建設業 | 8.9% |
金融業 | 9.0% |
学生 | 11.4% |
その他社会人 | 28.6% |
その他 | 11.5% |
約8割が社会人で、不動産・建設・金融業界が中心。
学生や主婦層の受験者も一定数おり、幅広い層に門戸が開かれていることが分かります。
令和5年度データでは、学生の合格率17.2%、主婦20.8%と、社会人に負けない成果を挙げています。
共通戦略:時間割と習慣化
年齢にかかわらず、宅建合格の最大のポイントは時間管理です。
合格者は例外なく「毎日必ず宅建に触れる習慣」を作っています。
「1日30分から始め、習慣化→1日3時間へ伸ばす」という流れが鉄則です。
時間帯 | 内容 |
---|---|
朝30分 | 業法の一問一答 |
昼15分 | 法令制限の数字暗記 |
通勤中 | 音声教材 |
夜90分 | 民法+予想問題演習 |
予定は8割に抑え、2割を「予備枠」に。挫折しない計画が合格の鍵です。
年代別攻略法
勉強方法は年代により、やり方が異なってきます。
年代別で見ていきましょう。
私自身、現在40代ですが、20代、30代の頃は時間はあるものの、法律理解であったり仕事に余裕が無い時期でした。
その年代にあった学習方法がわかっていればこんなに遠回りはしませんでしたので参考にしてみてください。
20代:基礎体力と暗記力で押し切る
学生や若手社会人は時間確保が比較的容易で、暗記力も高い年代。
就職に有利、との事で大学在学中に取得する人も多くいると聞いています。
ただし「まだ時間がある」と油断し、直前期に慌てる人も多いのもこの世代です。
まだ経験が浅いため、法律用語の理解が難しい場合もあります。
そのため、時間を味方につけ、より厚めのテキストを使って基礎を網羅しながら、過去問を3周以上回すことがポイントです。
模試を受けて「40点を超える手応え」を持てば安全圏に入れます。
30代:仕事・家庭と両立、効率最優先
最も受験者が多い年代。
仕事・家庭・育児に追われ、時間が取れないのが最大の悩みです。
学習は要点整理テキスト+一問一答で効率重視。
通勤・昼休み・夜の30分を積み重ねれば合格可能です。
国交省・RETIOの平均年齢データ(35〜36歳)からも、この世代が合格の中心層であることは明らかです。
40代:記憶より理解力を武器に
記憶力の低下を感じる年代ですが、社会経験による理解力が大きな武器。
社会経験も円熟味を増してきているため、力の抜き方も覚えてきている世代。
法律用語を生活事例に置き換えて覚えることで、定着度が高まります。
図解や音声教材を併用し、短時間でも反復学習を繰り返すことがカギ。
RETIO統計でも30〜40代が合格者の過半数を占めています。
50代以上:短時間集中で勝負
長時間学習は疲労が大きいため、30分×3回などコツコツと分割学習が最適です。
経験に裏打ちされた理解力で、法律の背景をイメージしやすい点は強みです。
実際に50代以上の合格者は毎年数千人単位で存在しており、「遅すぎる」ということはありません。
まとめ
宅建試験は、国交省・RETIOの公式データが示すように、20代から50代以上まで幅広い年代が合格しています。
合格率は例年15〜19%前後、合格点は35〜38点。
つまり40点を取れる学習を目標にすれば合格可能性が大きく高まります。
年齢にかかわらず、まず1日30分から勉強習慣を作り、徐々に時間を伸ばす。
年代ごとのライフスタイルに応じた戦略をとり、毎日積み重ねれば、何歳からでも合格は十分に狙えます。
宅建は一度取れば一生の国家資格。
キャリアアップ・転職・副業・資産形成の武器となる資格です。
今日から30分、あなたの未来を変える学習を始めましょう。
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